母の手作り作品を展示したブログの記事が、そこそこ増えてきたので
母に見てもらいました。
母はあいさつ文から、記事の写真まで、うんうんと頷きながら
嬉しそうに目を通してくれました。
ちなみに上の刺繍は、「お父さんとお母さん」という作品だそうです。
手作り作品を探しているうち、私はそれだけではなく、
タンスや小引き出しにしまわれている、もう長年使っていない、
出してもいない小物などが気になり始めました。
そこで私はもののついでと、戸棚の食器や、たんすの小物を出してきては
ひとつひとつ母にきいて、それにまつわる話をメモしていきました。
それがなかなか面白かったのです。
二十歳の誕生日にもらった・・誰がくれたかもう忘れた・・という
ブローチの裏を何気なくひっくり返したら、
ものすごく小さく「italy」と彫られていて
これが50年前、遠路はるばる海を越えてやってきた
イタリア製だったということに
今まで誰も気づいてなくてびっくりしたり。
父がいつも、納豆を入れるのに使っているお椀。
まあ割れないように気を付けている程度の扱いだったのですが
「ああ、それね。50年ぐらい前、インドの土で作ったものよ」
・・・
あんまりあっさり言うので、私は暫くボケましたが(笑)
そんな凄いこともっと早く教えてよと。
納豆入れてる場合じゃないよと思いましたが
今更手のひら返して床の間に飾るのも滑稽ですし・・
父は愛用しているので、まあそこは・・
今もそのまま納豆入れてます・・(^_^;)
世間で高価とされているような宝石などは全然なくて、
ガラクタといえばそれまでなんですが、
うちには面白いものがいろいろあることに気づかされました。
あとで父から、母が
「たんすの中身なんてもう忘れたようなものを、
あの子が引っ張り出してもってきてくれる」
と、嬉しそうにしみじみ話していたとききました。
第4話 母がしまっているもの
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