日曜日の午後。
自宅で子供と遊んでいると、携帯が鳴った。
母の主治医さんからだった。
「お母様の病状のことで、お伝えしたいことがあります」
大事な話。きちんと聞きたいのだが、
足元には4歳の息子。
「ぼくが出る!!代わって代わってーー!!」と叫ぶ。
慌てて個室に入り、カギをかける。
「すみませんお待たせしました」
話を聞こうとするのだが、追いかけてきた息子が
激しくドアをノックして泣き叫ぶ。
「ママ開けてーー!!電話したいのーー!!うわーん!!」
結局、何も聞き取ることができず。
「すみません、今全然聞き取れなくて・・」というのがやっとだった。
主治医さんは説明の日時も話していたようだが、
それすらもわからずじまいだった。
それにこの病院の番号は、掛けなおしてもつながらないのだ。
家には私と子供だけで、とっさに頼める人もいなかった。
(今はしっかりしてきた息子。でもこのときは、まだまだあかんたれだった。)
後日、主治医さんとは話がきちんとできたが、
これからのことに、私はしっかり対応できるのだろうか。
不安が残った。
でも、私がしなければ。
第12話 泣きわめく息子
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